グレートバリアリーフに過去最大の白化現象 死滅の恐れを指摘

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グレートバリアリーフに過去最大の白化現象 死滅の恐れを指摘

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世界の様々なサンゴ礁をモニタリングしている米国政府の専門家は、現在オーストラリアのグレートバリアリーフにおいて、記録史上もっとも広い範囲で白化現象が起きていると指摘しています。

2016年と2017年にはグレートバリアリーフの半分のサンゴが死滅する深刻な白化現象が起こりました。直近5年間において今回が3度目となる大規模な白化現象により、サンゴ礁の危機が懸念されています。専門家は「白化現象は人類が排出する温室効果ガスが起因しており、急速に進む地球の温暖化が大きく関係している」と見解を述べました。

米国海洋大気庁(NOAA)のサンゴ礁監視コーディネーターであるイーキン氏は「我々は気候変動に対して迅速な対応を取る必要がある。このままでは一層深刻な白化現象が続き、世界中で多くのサンゴ礁が失われることになるだろう」と危機感を示しました。

全海洋生物の約3割は生態の過程においてサンゴ礁に依存していることから、サンゴ礁は地球上で最も活発な海洋生態系との考えもあります。中でもグレートバリアリーフは約133,000平方キロメートルをカバーする世界最大のサンゴ礁であり、1,500種類以上の魚類と411種のサンゴ、その他数十もの海洋生物が生息する重要な存在となっています。また、毎年多くの観光客が訪れ、何万人もの雇用を支えるグレートバリアリーフは海洋生物に限らず、オーストラリア経済にとっても重要な観光資源です。

白化現象により直ちにサンゴ礁が死滅するわけではありませんが、水温の高い状態が続くとサンゴ礁はやがて死滅し、多くの海洋生物の生息地が破壊されることになります。イーキン氏はグレートバリアリーフが白化から完全に回復するまでには数十年かかると指摘しており「サンゴ礁が死滅する根本的な原因は気候変動にあります。サンゴ礁を未来に存続させるためには、共存する人類が気候変動に対処しなければなりません」と語りました。

参考元 : CNN
https://edition.cnn.com/2020/03/25/world/great-barrier-reef-bleaching-2020-climate-change-trnd/index.html