森林火災で負傷した25頭のコアラ 数か月におよぶリハビリを終え野生へ帰る

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森林火災で負傷した25頭のコアラ 数か月におよぶリハビリを終え野生へ帰る

  • ニューサウスウェールズ州
  • 環境保護

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昨年末から数か月間にわたり続いた大規模な森林火災により負傷したコアラたちがリハビリを終え、野生へと戻されることになりました。このコアラたちはニューサウスウェールズ州ポート・マッコーリーにある世界で唯一のコアラ専門病院”ポート・マッコーリー・コアラ病院”で治療とリハビリを続けていました。中でもSNSなどで話題となっていたのは“アンウェン“と呼ばれているメスのコアラで、10月に保護された時点で全身の90%が火傷で覆われている大怪我を負っていました。

アンウェンは数か月にもおよぶ治療を経て、他のコアラたちとともに一週間かけてレイクインズ自然保護区に戻されます。治療にあたったコアラ病院のスタッフは野生に戻ったコアラたちが豊かなコミュニティを作り、安心して子孫を残すことができる環境を望んでいます。そのため、同時に放すコアラの性別と年齢の組み合わせについても慎重に検討していると述べました。今回の大規模な山火事でニューサウスウェールズ州に生息するおよそ3分の1のコアラが犠牲になったとの報告もあり、安全な環境づくりに対する願いは切実です。

自然保護区周辺の森林は火災により甚大な被害を受けました。しかし、例年以上の降水があった影響で植物の再生が早く、当初の予定よりも早く野生へ戻ることが可能となりました。オーストラリア政府観光局のフィリパ・ハリソン氏は「全世界が困難な現実に直面している中で、コアラたちや自然環境の驚くべき回復は私たちにとって希望の光です。生命の偉大さを改めて噛み締めました」と想いを述べています。

現在は新型コロナウイルスの影響により、観光客がオーストラリアを訪れて直接的にコアラの支援をすることはできませんが、コアラ病院ではオンライン上でコアラの里親になれる制度を設けて寄付を募っており、世界各地で自宅にいながらコアラを支援することが可能です。

詳しくはポート・マッコーリー・コアラ病院のウェブサイトをご確認ください。
https://shop.koalahospital.org.au/

参考元 : CNN travel
https://edition.cnn.com/travel/article/australia-bushfire-koalas-released-intl-hnk/index.html