森林火災により生息地を追われたカモノハシ 故郷へ帰る

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森林火災により生息地を追われたカモノハシ 故郷へ帰る

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2019年の大規模な森林火災の際に救出され、シドニーのタロンガ動物園で治療を受けていた3頭のカモノハシが故郷のティドビンビラ自然保護区へ帰されました。オーストラリア首都特別地域(ACT)のミック・ジェントルマン環境大臣は、「4月の降雨により保護区の水路や池が水で満たされているため、カモノハシを自然に帰せる状態になりました」と述べています。

昨年12月下旬、カモノハシが生息している湿地帯や池は火災の影響で干上がっていましたが、水位の低くなった水辺で数頭が保護されタロンガ動物園へ移送されました。その後、ティドビンビラ自然保護区、タロンガ動物園、そしてニューサウスウェールズ大学は、カモノハシの行動をより深く理解するために連携し研究プロジェクトを立ち上げました。今回保護区に帰ったカモノハシたちにはタグが取り付けられ、生態の追跡ができるようになっています。プロジェクトに携わるニューサウスウェールズ大学のギラード・ビーノ博士は「この追跡プロジェクトは1年半に及ぶ長期間行われ、カモノハシの生息域や行動についてこれまで明らかにされてこなかった知見を得ることができるでしょう」と話しました。

現在、カモノハシはオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)および国際自然保護連合により「準絶滅危惧種」に指定されています。ニューサウスウェールズ大学とタロンガ保護協会の最新の研究によると、カモノハシの生息数はヨーロッパ諸国による植民地化以来およそ半数ほどに減少したと発表されました。今回の調査結果は生息地の条件について理解を深め、生息数が減少しているカモノハシの個体群管理への活用が期待されています。

参考元 : CityNews.com.au
https://citynews.com.au/2020/platypuses-make-a-splash-back-home-in-canberra/