新型コロナウイルスの影響により動物施設の資金難が深刻に

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新型コロナウイルスの影響により動物施設の資金難が深刻に

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クイーンズランド州にあるフレーザーコースト野生動物保護区ではボランティアスタッフが中心となり、約300匹の動物の世話をしています。しかし新型コロナウイルスの影響で訪問客からの入場料が得られず、資金難で動物への餌代を支払うことができない事態が発生しています。保護区の連絡員を務めるデイビッド・トリッグ氏は、「かなり厳しい状況です。我々の収入は保護区を訪れる人々によって支えられてきましたが、今はそれが得られなくなってしまいました」と語ります。トリッグ氏によると保護区のボランティアの多くは、景気刺激策として連邦政府から給付された750ドルを動物の餌代に充てているとの事です。

一方でバンダバーグ近郊のチャイルダーズにある爬虫類やオーストラリア固有の動物が中心の動物園“スネーク・ダウンアンダー・レプタイルパーク・アンド・ズー”のイアン・ジェンキンス氏は、「幸いワニは代謝速度が非常に遅いので、あまり多くのエサは必要ありません。トラやライオンのような大型の肉食動物がいないのはありがたいことです」と話しました。それでも、カンガルーやディンゴ、ヘビといった残りの何百もの動物たちは餌を必要としています。ジェンキンス氏はスタッフ4人を一時解雇せざるを得なかったとしたうえで、「政府の支援があれば業界全体は非常に助かります」と窮状を訴えました。

この他にも新型コロナウイルスの影響で各地の野生動物病院や保護施設なども深刻な資金不足に陥っています。多くの施設が寄付やクラウドファンディングを呼びかけていますが、資金調達の新たな方法を模索する動きも出始めました。オーストラリア最大級の野生動物保護施設“カランビン野生動物病院”は募金活動の一環として毎年主催してきた夕食会をオンラインで開催し、そのチケット代を資金に回すことにしています。このオンライン夕食会では病院の日常業務のビデオなど様々なプログラムが用意されており、世界中からチケットの購入が可能です。詳しくはカランビン野生動物病院のウェブサイトをご確認ください。
https://currumbinsanctuary.com.au/hospital

参考元 : ABC
https://www.abc.net.au/news/2020-04-16/coronavirus-queensland-zoos-sanctuaries-native-wildlife-animals/12154058?section=politics