
更新日 : 2022/01/17

更新日 : 2022/07/11

更新日 : 2021/07/12

更新日 : 2021/08/08

更新日 : 2021/07/03

更新日 : 2022/02/22
Contents
緑豊かな自然の中に造られたキャンベラは、政治、経済の主要機関や美術館・博物館など観光拠点が集中しています。車で1時間ほど移動すると、ナマジ国立公園やティドビンビーラ自然保護区などの豊かな自然が広がります。オーストラリアのほとんどの州都から国内線でアクセスでき、道路が広いため渋滞がなく移動がスムーズです。
都市計画により造られた人工の街キャンベラは、アボリジナルの言葉で“人が集まる場所”を意味する“キャンベラ”から名付けられました。面積の半分以上が国立公園や自然保護区のため“ブッシュキャピタル(森の中の首都)”と呼ばれます。1912年、都市計画のコンペでアメリカの建築家ウォーター・バーリー・グリフィン(Walter Burley Griffin)のデザインが選ばれ、何もない土地に首都が建都されました。設計者の名前にちなんで名付けられた人工の湖“バーリー・グリフィン湖”を中心に街が展開し、周辺に国会議事堂や最高裁判所など主要機関が配置されています。芸術の街としても知られナショナル・ポートレート・ギャラリー、ナショナル・アーボリータム・キャンベラ、国立美術館などが至近距離に点在し、街も建築物も新しく利用しやすいのが特徴です。ほとんどの施設は入場が無料で、世界各国の言語でガイドが受けられます。公共交通機関で移動するならバスが便利ですが、北部のガンガーリン駅からシティ駅まで路面電車のライトレールも繋がっています。キャンベラ国際空港まではオーストラリアのほぼ全域の空港から、日本からはシドニーを経由し国内線で移動できます。
オーストラリアの歴史は今からおよそ6万年前までさかのぼります。
古くから先住民族のアボリジナルが暮らし、祖先と自然神を敬う独自の世界観や文化を築いてきました。中世から近代はヨーロッパからの入植により、オーストラリアの環境は大きく変化します。1770年にイギリスの探検家ジェームス・クックがオーストラリアに上陸。同時にイギリス人の移住が始まりました。1851年にニューサウスウェールズ州とビクトリア州で金が発掘され、ゴールドラッシュに湧いたシドニーとメルボルンは人口が急増。1901年にはイギリスから独立し、オーストラリア連邦政府の国家設立に至りました。しかし、近代都市化を目指すシドニーとメルボルンで、首都誘致を巡る大規模な論争が起こります。連邦政府による仲介のもと、1908年に両都市の中間に位置するキャンベラを首都建設地とする折衷案で合意。1927年には臨時首都のメルボルンに置かれていた連邦議会をキャンベラへ移し、オーストラリアの正式な首都として制定されました
マウントエインズリー自然保護区の中にあるエインズリー山は、19世紀にこの土地で養羊を営んでいたジェームズ・エインズリーにちなみ名付けられました。山頂にはキャンベラ国際空港に向けた航空システムの標識があり、展望台からは国会議事堂やバーリー・グリフィン湖などの観光スポットや街並みが一望できます。展望台までは公共交通機関が通っていないため、レンタカーもしくはタクシーでの移動をおすすめします。徒歩で登りたい方はオーストラリア戦争記念館の裏側から山頂までのトレッキングルートをご利用ください。標識があり見通しもよいため子どもでも歩き通せるでしょう。登山の途中に出会う野生動物や多種多様な鳥を写真に撮る楽しみもあります。山頂からの景色は、街がライトアップされる夕暮れが特におすすめです。
ナマッジ国立公園の中にあるティドビンビーラ自然保護区では、オーストラリア特有の動物、コアラ、カンガルー、ワラビー、エミューのほか、鳥や爬虫類が自然な環境のままに保護されています。“ティドビンビーラ”はアボリジナルの言葉で“男子が成人する場所”を意味する“ジェドビンビーラ“が名前の由来と言われています。ティドビンビーラ自然保護区アボリジニツアーでは、約2万年前にアボリジナルの先祖が残した壁画や、身を守る神聖な場所として使われていたロック・シェルターが見られます。ビリガイにある”ビリガイロックシェルター“は、この地域では最古と言われるため一見の価値があります。
キャンベラの中心街から車で45分ほどの位置にあり、キッズプログラムやプレイランドのほか、ピクニック、バーベキューエリアがあり家族連れも楽しめるでしょう。
キャンベラの都市計画を策定したアメリカの建築家ウォーター・バーリー・グリフィンの名前に由来するバーリー・グリフィン湖は、モロングロ川をせき止めて造られた人工湖です。この湖の周辺には国会議事堂をはじめ最高裁判所、国立図書館などの主要機関や、国立美術館、国立科学技術センター、オーストラリア戦争記念館など文化施設が立ち並びます。湖では毎日10時と14時に吹き上げる巨大な噴水キャプテンクックメモリアルや、スタンドアップ・パドルボードなどの水上アクティビティが楽しめます。湖上では一年を通して熱気球での空中遊覧ができるほか、毎年3月に開催される “キャンベラバルーンスペクタキュラー”フェスティバルでは、湖上に浮かぶ無数の熱気球が見られるでしょう。
海が宝石のように輝くサファイア・コーストは、9月から11月にかけてクジラが南極大陸に回遊するためホエール・ウォッチング・クルーズが数多く催行されます。キャメルロックとムルナポイントの間の歩道を進んだ先にある展望台からは、馬の頭のような巨大な岩山ホース・ヘッド・ロックやイルカやクジラがダイナミックに泳ぐ姿を眺めることができます。近隣のモンタギュー島からのダイビングツアーからのダイビングツアーではアザラシと一緒に泳げます。
また、栄養豊富な水源により品質の良い牡蠣が採れることでも知られるため、周辺の牡蠣小屋やレストランで新鮮な牡蠣やシーフードを楽しむのはいかがでしょうか。
豊かな土壌と気候に恵まれたキャンベラにはキャンベラ・ディストリクトと呼ばれる地域があり、数多くのワイナリーが点在します。キャンベラでワイン造りが始まったのが1971年からと比較的に近年なため、ワイン愛好家からは新たなワインの産地として注目されています。ワイナリーが狭い地域に密集するため移動時間を気にせずワインが楽しめるほか、森での果物狩りやトリュフ収穫など豊富なグルメ体験も楽しめます。ワインに合うチーズなどの新鮮な食材が屋台に並ぶマーケットでは、週末にミニコンサートが開催されます。音楽と一緒に、ビールの醸造所ブルワリーで造られる出来立てのクラフトビールはいかがでしょうか。この周辺には、レストランを併設したオーベルジュや気軽に泊まれるB&Bなどが数多くあり、予算と好みに合う宿泊先が見つかるでしょう。
ジニンデラ川に繋がる人工の湖“ジニンデラ湖”は、アボリジナルの言葉で“きらめく”、“小さな光線を投げる”という意味の“ジニンデラ”に因み名付けられました。面積約100ヘクタール、水深は平均3.5mあり、周辺の湿地帯には野生の鴨や黒鳥など珍しい鳥が見られバードウォッチングが楽しめます。湖周辺はジニンデラ湖公園地区となり、ジョンナイト記念公園をはじめいくつもの自然公園が点在します。また、バーベキュー、ピクニックなど家族連れでも楽しめるエリアや、リードを放して飼い犬と遊べるドッグパークがあります。ただし、バーベキューで火を扱う場所など、犬を連れて立ち入りができないゾーンがあるため注意が必要です。
1988年当時、世界でもっとも高額な11億オーストラリアドルをかけて建てられた国会議事堂は、キャンベラの中心地キャピタルヒルにあります。議会がない日は議事堂内を予約なしで見学でき、窓からは旧国会議事堂やオーストラリア戦争記念館、バーリー・グリフィン湖、エインズリー山が一望できます。旧国会議事堂は1927年に開催された第1回連邦議会から約60年間オーストラリア政府の中核として機能しました。現在はオーストラリア民主主義博物館として、オーストラリアの文化・政治の歴史資料が展示されています。国会議事堂と旧国会議事堂は近隣にあるため、比較しながら見学してみてはいかがでしょう。移動には中心部の観光スポットを巡回する無料バス”カルチャー・ループ“が便利です。4,500もの部屋がある議事堂内にはアボリジナルアーティストによるモザイク画のほか至る所にアートコレクションがありますが、動画・写真撮影は禁止されているため注意が必要です。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーは、首相や政治家、有名なアーティストやミュージシャンをはじめ一般の人々の肖像もアートとして展示されています。作品は絵画、彫刻、版画、コラージュなど様々なジャンルがあり、ユニークな芸術作品が鑑賞できると人気があります。写真家のためのコンテスト“ナショナル・フォトグラフィック・ポートレート賞”や、絵画の“ダーリン・ポートレート賞”が開催される期間は、新人作家による斬新な作品に出合えるでしょう。併設された図書館にはポートレートに関する資料が収蔵され、毎週火、水、木曜日の10時から17時まで予約により閲覧ができます。
ニューサウスウェールズ州のショールヘブン地域に位置するジャービス・ベイはキャンベラ国際空港から車で約2時間です。パウダーのような砂とターコイズの海は波が穏やかなため、“オーストラリアで最も美しく安全なビーチ”と言われます。クジラが海岸沿いを移動する4月~7月、8月半ば~11月には、ジャービス・ベイ・マリンパークから出港するクルーズ船からダイナミックに泳ぐイルカやクジラが間近に観られるでしょう。周辺にあるブーダリー国立公園には、アボリジナルコミュニティが管理する手付かずの原生林に囲まれたキャンプ場があり家族連れも楽しめます。パブが人気のハスキッソン・ホテルでは毎週金曜と土曜日の夜にミュージックライブが開催されます。音楽と共に食事やアルコールはいかがでしょうか。
キャンベラ中心街から車で15分ほどの位置にある国立樹木園ナショナル・アーボリータム・キャンベラは、2003年に深刻な被害をもたらしたブッシュファイヤー(原野火災)の復興計画により造られました。園内には世界中の企業から寄付された絶滅が危惧されている樹木などが植樹されています。多数のアート作品が配置された山頂からは、バーリー・グリフィン湖をはじめキャンベラ市街が一望できます。250ヘクタールの園内にはピクニックエリア、カフェ、大型遊具施設ポッド・プレイグラウンドがあり家族連れでも楽しめるでしょう。食事や買い物ができるビジターハウスでは、園内案内やツアーの申し込みができます。歩いて主要スポットを周れる”ウェルカムウォークツアー”のほか、バスで周るガイドツアーに参加してはいかがでしょう。
オーストラリア戦争記念館は、第一次・第二次世界大戦時の兵士の遺品や写真、武器や戦車などのほか、旧帝国陸軍・海軍の遺品や戦後に押収したゼロ戦、旧日本軍の特殊潜航艇の展示があります。英語、北京語、ヒンディー語が選べるセルフガイドツアーや、障害のある方のため手話での案内もあります。戦没者追悼施設として典礼や追悼式が行われ、毎日16時45分に“ラストポスト”と呼ばれる軍用ラッパの演奏で戦没者を慰霊しています。歩き疲れたら、朝9時から15時までオープンしている館内のカフェで一息ついてはいかがでしょう。
オーストラリア最大の美術館“オーストラリア国立美術館”は、6万6,000点もの作品を所蔵しています。世界各国の絵画や彫刻のほか、アボリジナルやアフリカ、アジア、パシフィックの作品も展示されています。数多くの展示がある上に混み合うことが少ないため、時間を忘れて鑑賞が楽しめます。
ガイドツアーは公式ホームページのWhat’s Onで開催時間を確認し、予約なしで参加できます。大人、若者、キッズやファミリー、教育者向けなど様々な学習プログラムがあり、障害のある方や介護者向けのガイドやサービスは公式ホームページから確認ができます。時間に余裕がある方は、隣接するナショナル・ポートレート・ギャラリーにも訪れてはいかがでしょう。
キャンベラの気候は日本と同じく四季が分かれています。9月から11月は春にあたり気温は6~19℃前後、10月は特に降水量が多い時期です。12月から2月は夏にあたり12~27℃と、日を追うごとに気温が高くなります。3月から5月は7~20℃、草木が色付く秋らしい気候です。続く、6月から8月は冬にあたり、気温が氷点下になる山間部ではコートやダウンなど厚手の衣類が必要です。年間の平均最高気温は28℃と高めですが、湿度が低いため快適に過ごせます。また、一年を通して朝晩は冷え込むため体温調節の出来るアイテムが必要です。
都心部には雪が殆ど降りませんが、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、オーストラリア連邦首都特別区キャンベラの3方向に広がるオーストラリア・アルプスは積雪するため、スキーなど冬のレジャーが楽しめます。
日本国籍の方が90日以内の観光旅行を目的としてキャンベラへ渡航する際は、ETAS(イータス)の申請が必要です。ETAS(イータス)を管轄するオーストラリア政府移民局では、渡航が決定した時点での申請を推奨しています。申請後は当局による審査が行われ、当日または翌日には審査結果が届きます。審査に時間を要する場合もあるため渡航3日前までにはETAS(イータス)申請を済ませましょう。ETAS(イータス)の有効期限は1年間ですが、期間が過ぎた方は改めてETAS(イータス)申請が必要です。ETAS(イータス)に関する詳しい情報と申請方法は”オーストラリア観光ビザのETAS(イータス)とは”をご確認ください。
更新日 : 2022/06/01