
更新日 : 2022/01/17

更新日 : 2022/07/11

更新日 : 2021/07/12

更新日 : 2021/08/08

更新日 : 2021/07/03

更新日 : 2022/02/22
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クイーンズランド州のハービー・ベイ沖に浮かぶフレーザー島は、世界遺産に登録される“世界最大の砂の島”です。果てしなく続く白い砂のビーチ、海岸に打ち上げられた難破船、樹齢千年を超える木々が茂る森、水晶のように透き通る宙水を湛えた湖など数多くの見どころがあります。4WD車が行き交う広大な砂浜の幹線道“75マイルビーチ”は圧巻です。オーストラリア純血種の野犬“ディンゴ”や350種を超える野鳥、ザトウクジラ、ジュゴンやイルカなど多種多様な野生生物が観察できます。
このページでは砂の島“フレーザー島”の魅力と楽しみ方を紹介します。
フレーザー島はほとんどが白い砂で形成される“世界最大の砂の島“で、ほぼ全域がグレート・サンディ国立公園として自然保護区に指定されています。豊かな森、湖、湿地があり、上空から見ると保水力が乏しい砂の島とは思えないほど緑あふれる姿に驚かれるでしょう。砂丘のくぼみに雨水が溜まってできる宙水湖が数多く点在しているのが特徴です。なかでもマッケンジー湖は世界で最も透明度が高いとされ、水晶のように美しいことから“クリスタルクリアウォーター“と称されます。生態系も豊かで、オーストラリア純血種の野犬”ディンゴ“をはじめ350種を超える野鳥、海にはザトウクジラやジュゴンなど様々な野生動物が生息しています。
1992年に“フレーザー島”で世界自然遺産に登録されましたが、現在は“パラダイス”を意味する先住民族の言葉”クガリ(K’gari )“に登録名を変更しています。
フレーザー島へは最寄りの港町ハービー・ベイまたはサンシャイン・コーストから向かうことが可能です。“ハービー・ベイ”のフレーザー・コースト空港と“サンシャイン・コースト”北端に位置するサンシャイン・コースト空港へは、シドニーやブリスベンなど主要都市から直行便が運航しています。どちらの港町からもフレーザー島へは、島での宿泊やドライブツアーがセットになった小型飛行機便、または“ハービー・ベイ”から1日5~6往復するフェリーを利用しましょう。
島内は公共交通機関がないため移動は4WD車のみとなります。フレーザー島観光は車両が手配されたツアーが一般的ですが、個人の4WD(車)でフェリーに乗り上陸することも可能です。その場合は国際運転免許証のほか、クイーンズランド環境保護事務所への事前申請が必要です。
広大な国土をもつオーストラリアは、地域により気候が大きく異なります。フレーザー島のある北東海岸エリアは亜熱帯性気候に属し、年間を通して寒暖差が少なく過ごしやすいのが特徴です。時期により乾季と雨季に分かれるため、渡航する際は季節に合った服装や用具を用意しましょう。
平均最高気温は23度前後、平均最低気温は10度前後と比較的温暖な気候です。日差しが強いので日焼け止めやサングラスなど紫外線対策が必須です。ホエール・ウォッチングのベストシーズンは8月~10月になります。
雨季といっても一日中雨が降り続くことはなく、短時間のスコールがある程度です。1月~2月は最も雨量が多い時期ですが、日中の気温は30度前後まで上がるため川や湖での遊泳に適しています。
日本との時差は1時間で、日本が正午の場合フレーザー島は13時です。サマータイムは実施されないため一年を通して同じ時差になります。
フレーザー島は豊かな森の中に100以上の池や湖があり、そのうち40は宙水湖です。藻が発生した緑色の湖”ワビー湖”や青い湖”マッケンジー湖”、他では見ることのできない赤い湖”ブーマンジン湖”があります。全長90kmのウォーキングコース“グレート・ウォーク”は、これら三色の湖や熱帯雨林を一度に巡ることができます。点在する名所の散策や湖での遊泳を予定する方は、道中のキャンプ場など宿泊施設を利用してはいかがでしょう。主要スポット周遊なら4WD車のレンタルか、バスで巡るガイドつきの“ビューティースポッツ・ツアー”がおすすめです。
フレーザー島やハービー・ベイを含むフレーザー・コースト地域は、2019年に世界初のクジラ遺産地域に認定されたホエール・ウォッチングの聖地です。8月~10月には、出産や子育てのために豊かなエサ場を求めて多数のザトウクジラが訪れます。ザトウクジラはクジラ目の中で5番目に大きく、ダイナミックな動きと船にも近付いてくるフレンドリーさが人気です。歌を歌うクジラとしても知られ、出産のために冷たい南極海域から温かい南太平洋へ北上する習性を持ちます。数千頭ものクジラが南極海域に戻るこの時期は遭遇率100パーセントを誇り、多くのホエール・ウォッチング・ツアーが催行されます。
75マイルビーチは名前の通り75マイル(約120km)もの距離があり、干潮時は自動車道として利用されます。波打ち際を颯爽と駆け抜けるドライブは人気アクティビティのひとつで、オプショナルツアーのほか車両をレンタルして自分で運転することも可能です。ビーチは小型飛行機の発着場としても利用されるため、間近でセスナの離着陸が見られるでしょう。
なお、ビーチは道路法規が適用されるため、運転する際は国際運転免許証が必須となります。
ブーマンジン湖は、赤い湖水が特徴的な世界最大の宙水湖です。フレーザー島の先住民ブチュラ族の信仰の対象として古くから大切にされ、現在もグレート・サンディ国立公園の一部として保護されています。枯葉などに含まれるポリフェノールの一種“タンニン”が湖水を染め赤い湖を作り出しました。湖底が地下水脈より上にあるため湖水が混濁せず、シリカの白い砂浜と赤い湖水のコントラストが鮮やかに見えます。エリア内のキャンプ場はディンゴの生息地ですが、隔離と保護を目的としてフェンスが設置されています。子ども連れでも安心して宿泊できますが、野生動物には不用意に近付かないよう注意が必要です。
フレーザー島に点在する約100か所の湖の中で、マッケンジー湖は最も人気のあるスポットです。“世界一美しい水”と称される湖水は生物が生息できないほど純度が高く、純白のシリカサンド(ケイ砂)と湖を囲む緑のコントラストは息をのむ絶景です。周囲の森では世界最大のシダ類”キングファーン”、食虫植物、寄生植物ほか、オーストラリア固有の野生動物コアラやディンゴ、ハリモグラが見られます。体力に自信のある方は自然道グレート・ウォークで、熱帯雨林を散策しながら湖を目指してはいかがでしょう。4WD車で訪れる際は駐車場が込み合う場合があるため、早めに出かけるのがおすすめです。
ワビー湖は砂丘と隣接する小規模の淡水湖で、砂漠に現れたオアシスを彷彿とさせる景観です。エメラルドグリーンの湖水は水深12mと島内で最も深く、他の湖と異なり多くの魚が生息します。展望台やキャンプエリアがあり、釣りをしながらゆっくり過ごす拠点として人気があります。
湖の東側一帯に広がる砂丘ハンマーストーン・サンドブローで、海風により変化する幻想的な砂の模様”砂紋”は見どころのひとつです。ワビー湖は長い年月をかけて砂に侵食され、最終的には砂に埋まり消えてしまうと言われています。
シャンパンプールは潮だまりにできた天然のプールで、岩壁に打ち寄せるシャンパンの泡のような波に由来します。魚やヒトデ、海草をはじめとする豊かな生態系が形成されたプールは、古くからアボリジナル(アボリジニ)が漁場として利用してきました。干潮時には大小様々なプールに取り残された海辺の生物を間近に観察できるでしょう。潮だまりは高波の心配がなく家族連れでも安心して楽しめます。
また、クジラが出産や子育てのためにハービー・ベイを回遊する8月~10月は、運が良ければ沖を泳ぐ親子クジラが見られるでしょう。
川や湖で気持ちよく泳いだ後は、島の散策に出かけましょう。フレーザー島にはいくつものウォーキングコースがあり、熱帯雨林の森で緑豊かな自然に触れることができる点も魅力のひとつです。全長90kmにわたる自然歩道グレート・ウォークを利用すると、マッケンジー湖、イーライ・クリーク、ワビー湖など島の名所を周ることができます。
マッケンジー湖近くのセントラルステーションからは、カウリの大木が根をはる美しい森を散策できます。カウリは頂上部にのみ枝が広がる特徴的な常緑樹で、ニュージーランドでは“神が宿る木”として知られています。太陽の光を求めて枝を広げる様子は緑の天井のように見えるでしょう。
浮き輪やゴムボート遊びを楽しみたい方は、澄んだ水をたたえたイーライ・クリークでの川下りはいかがでしょうか。“イーライ・クリーク”は島の中心部を源流とするイーライ川の河口に位置する入り江で、熱帯雨林の中を進む野性味あふれる川下りが人気です。川底の白砂が透き通って見える川は、流れが穏やかで浅瀬のため小さな子ども連れでも安心して楽しめるでしょう。川沿いには遊歩道が整備され、川下りを楽しむ家族を見守ることができます。
ただし、河口周辺の海はリップカレント(離岸流)が強く、サメの生息域となるため遊泳には適しません。イーライ・クリークか、周辺に点在する湖で泳ぎましょう。
マヒノ号はフレーザー島ハッピーバレー北部の浜辺に打ちあげられた難破船です。1905年にタスマン海峡を渡る客船として建造され、第一次世界大戦時には病院船として運航。1935年に処分のためメルボルンから日本へ送られる際にサイクロンに被災しました。現在は75マイルビーチの白い砂浜に錆びた船体を晒し、ゆっくりと朽ちる様子は一見の価値があります。崩落の恐れがあるため船内には立ち入らず、離れて眺めるのみに留めましょう。
フレーザー島は世界一と称されるホエール・ウォッチングの聖地で、8月~10月は出産や子育てのために多くのザトウクジラが訪れます。この時期のクジラ遭遇率は、ほぼ100パーセントを誇ります。”ホエール・ウォッチング・クルーズ”は、転覆に強い双胴船に乗り半日かけて周遊しクジラを観察します。ツアーには食事やアフタヌーンティーがつくのが一般的です。宿泊先のホテルからも予約が可能ですが、ハイシーズンは込み合うため早めに申し込みましょう。毎年クジラが回遊する時期には、パドルアウトやパレードでクジラの訪れを祝うハービーベイ・クジラフェスティバルが開催されます。
フレーザー島は自然保護の観点から舗装道路がなく、移動は4WD車のみになります。車両はツアーやチャーターのほか個人でのレンタルも可能ですが、砂地は滑るため運転する際は注意が必要です。キングフィッシャー・ヴィレッジ(Kingfisher Village)にあるオージートラックス4WDレンタルズ(Aussie Trax 4×4 Rentals)では出発前にレッスンを実施しています。
ドライブの定番コースは島の東海岸に広がる砂地のハイウェイ“75マイルビーチ”ですが、熱帯雨林を通るセントラル・レイクスもおすすめです。濃い緑と日差しのコントラストが、鮮やかな森林の景観を楽しめるでしょう。コース上にあるワビー湖展望台からは、ワビー湖をはじめハンマーストーン・サンドブローの砂紋からマッケンジー湖周辺まで一望することができます。
フレーザー島にはオーストラリア固有種のカンガルーをはじめ、ワラビー、エミュー、カメ、野鳥など多種多様な野生生物が生息します。レンジャーが案内するプログラム“ナイトタイム・ウォーク”では、木から木へ飛び移る”フクロモモンガ”や、希少種の蛙“エシッド・ロッグ”など日没後に活動する野生生物が観察できます。
フレーザー島にはタイリクオオカミの血を引く野生の犬“ディンゴ”の純粋血種が生息。ディンゴはまれに人や家畜を襲いますが、フレーザー島ではフェンスを設置し保護と管理を行っています。森やビーチで見かけた場合は不用意に近寄らず、観察したい方はガイド付きのツアーに参加しましょう。オーストラリアではディンゴに限らず野生動物への餌付けに罰則が科されます。ルールを遵守し、野生動物とは適切な距離を保つよう注意しましょう。
野生動物と接する際の注意事項は“野生動物体験で配慮するべきこと”をご確認ください。
イーライ・クリークやシャンパンプール、マッケンジー湖へアクセスしやすい好立地のキャンプ場です。コテージや電源付のテントもあるため、初心者でも気軽に利用できます。満点の星空の下、野生動物の息づかいを感じながら眠りにつくことができるでしょう。
キッチン付きのヴィラとビーチハウスを備えた四つ星ホテルは、グレート・サンディ海峡の美しい夕日が見られることで有名です。カヌーやセグウェイでの探索をはじめ、野生生物を学ぶ“ジュニア・エコレンジャー・プログラム”などガイド付きアクティビティが揃います。
75マイルビーチ周辺の森にバンガローが立ち並ぶ宿泊施設です。ワビー湖およびイーライ クリーク、難破船マヒノ号が10km圏内にあります。バンガローには専用バスルームとリネンがつき、敷地内のレストランサティネバービストロでランチとディナーが食べられます。食料品店や共用キッチンもあるため自炊も可能です。
フレーザー・アイランド・ビーチハウスは、キッチンが備わったコテージタイプの宿泊施設です。75マイルビーチにも近く、3ベッドルーム、2バスルーム、ダイニングキッチンを備えた大型タイプもあります。滞在中は屋外プール、バーベキュー施設、スパ&ウェルネスセンターが利用でき、長期滞在する方におすすめです。
オーストラリアは紫外線が強いため、特に夏期にあたる12月から2月は紫外線対策が必須です。フレーザー島でアウトドアレジャーを楽しむ際は、SPF数値が高い日焼け止めクリーム、サングラス、帽子、長袖パーカー、ラッシュガードなど日差しを防ぐアイテムを準備しましょう。
また、オーストラリアは日本と電圧が異なるため、日本の電化製品を使用する際は変圧器が必要となります。オーストラリアの電圧は240Vとなり、日本規格の100Vに減圧するダウントランス変圧器を用意しましょう。パソコンやスマートフォンなど複数の電子機器を同時に充電する場合に備え、2~3個持参することをおすすめします。
フレーザー島観光など90日以内の短期滞在を目的に渡航する方は、ETAS(イータス)の申請が必要です。ETAS(イータス)は承認が下りるまで時間がかかる場合があるため、渡航が決定した段階での申請を推奨します。有効期間は取得日から1年間です。ただし、パスポートの有効期限が1年未満の方はパスポートの有効期限日を以てETAS(イータス)も失効となります。当該の方はパスポートの更新を済ませてから申請しましょう。ETAS(イータス)申請方法の詳細は”オーストラリア観光ビザのETAS(イータス)とは”をご確認ください。
更新日 : 2022/10/12