豪州のみに生息する“ダンススパイダー” カラフルな7種の新種クモ発見

オーストラリアで世界的に珍しい“クジャクグモ”の新種が7種発見されました。クジャクグモは全ての種がオーストラリアのみに生息しており、オスが求愛の際にダンスを披露してメスを惹きつける習性があります。この求愛ダンスに大衆音楽を乗せた動画がインターネット上にアップされたことにより、「ダンススパイダー」として話題になりました。クジャクグモの体長は数ミリメートルほどしかなく、およそ米粒ほどのサイズです。オスは種ごとに異なる青や黄色、エメラルドグリーンなどの極彩色の模様をまとっていますが、メスは黒、茶色、ベージュといった地味な色のまだら模様をしています。

今回の発見で、ビクトリア博物館に勤務している昆虫学者ジョセフ・シューベルト氏は7つの新種のクジャクグモに関する研究論文を発表しました。「彼らはこの米粒ほどの小さな体で驚くべき個性と魅力を放っています」とシューベルト氏は話します。しかし、そのサイズの小ささゆえに発見は困難を極めます。フィールドワーク中に茂みの中からクジャクグモを発見するには鋭い観察眼が必要とされ「カメラと大きなレンズを使用し、小さなクモをズームして観察しています」と語りました。発見された種の中でシューベルト氏が最もお気に入りのクモは‘Maratus constellatus‘と名付けられたカルバリという地域で発見された種です。「腹部の色や模様がフィンセント・ファン・ゴッホの絵画『星月夜』によく似ていたので、ラテン語で星座を表す学名を与えました」とシューベルト氏は説明しました。

クジャクグモは2013年の時点では10種未満とされていましたが、オーストラリアの情熱的な生物学者たちの努力により現在の総数は85種に上っています。今後も多くの学者たちの研究により、新たな種の発見が期待されます。

参考元：ABC
https://www.abc.net.au/news/2020-04-02/seven-new-species-of-peacock-spider-discovered/12110306