昨年11月に保護されたアオウミガメの「ヨーダ」 5か月振りに海へ戻る

Menu

昨年11月に保護されたアオウミガメの「ヨーダ」 5か月振りに海へ戻る

  • クイーンズランド州
  • 環境保護

更新日 : 配信日 :

オーストラリア・クイーンズランド州の中心部から遠く離れた海岸に打ち寄せられたアオウミガメの「ヨーダ」。リハビリセンターにて保護されたヨーダはその後5か月で元気に回復し、海へ帰っていきました。

2019年11月にクオインアイランド・タートルリハビリテーションセンターに保護された当初、ヨーダの甲羅はフジツボによって覆われ、ひどい日焼けと脱水状態に陥っていました。その後5か月を経てヨーダは完全に回復し体重も30キロ増えて元の状態に。5か月にわたる餌代は合計4,000ドルに及んだとのことです。

アオウミガメは海藻や藻類を主な食料としていますが、病気にかかったカメは回復するためにより多くのタンパク質を要します。ヨーダの世話係となった海洋生物学者のLiam Turner氏は「ヨーダがここに来た時は明らかに痩せていたので体重を戻すためにはしばらく時間が必要でした。彼女は何日かしてイカを食べるようになり、一度食べ始めると急速に体重が回復していったのです」と語りました。ヨーダは幸い数週間で集中治療のタンクからプールに移動することができるようになりました。カメの世話を担当するTurner氏とその妻にとって、記憶に残る特別な体験だったと述べています。

リハビリセンターのオーナーであるBob McCosker氏は過去9年間で200頭以上のカメのリハビリを手伝ってきましたが、ヨーダが海に入っていくのを見ながら幸福感と悲しみを同時に感じました。McCosker氏はヨーダのようなカメにとって余暇で釣りを楽しむ釣り人たちが最も大きな脅威であると述べるとともに、「ヨーダが漁師やボートに遭遇しないことを願っています。人々が捨ててしまう釣り糸や釣り針は野生の生物にとって大変危険です。彼らが知る術はありませんが、その影響で手足を切断してしまう動物が大勢いるのです」と警鐘を鳴らしました。また気を配るべきは「海へごみを捨てないこと、そしてきちんと家へ持ち帰ること」だと話したうえで、ヨーダの帰郷が釣り人たちへのメッセージとして胸に刻まれることを願いました。

参考元 : ABC NEWS
https://www.abc.net.au/news/2020-03-29/yoda-the-green-sea-turtle-returns-to-the-wild/12097982