ニューサウスウェールズ州 5月11日より学校を段階的に再開へ

ニューサウスウェールズ州のグラディス・ブレジクリアン首相は、5月11日より段階的に週一日から学校を再開するという方針を発表しました。州政府の計画では7月下旬には従来の日程で授業を再開することを目指しています。

ブレジクリアン首相は新型コロナウイルスの感染対策として自宅待機に協力した子どもを含む家族と、オンライン授業の提供に尽力した教師たちに感謝し、「協力のおかげでオンラインによる学習環境が改善され、学校を再開するために必要な衛生対策を検討する貴重な時間を得られた」と語りました。また、今回の方針によって在宅勤務と子供の世話の両立を努めた家族にも感謝の意を表し、「学校の再開が各家庭の負担軽減につながることを願う」と述べています。

州では学校を再開する際、教室に集まる生徒は通常の4分の1程度に留め、通学以外の日は外出を控えるよう子どもと保護者に向けて呼びかけています。また通学する曜日については学校ごとに異なることも発表しました。

一方で学校再開に懐疑的な保護者がいることも事実です。シドニー在住のローズ・タン氏は「誰がウイルスに感染しているのか分からないこの状況で、もし息子が新型コロナウイルスを学校から持ち帰ってきてしまったら私たち家族は大きな打撃を受けることになる。まだどうするか決断していないが、息子が学校に行くのを引き留めるかもしれない」と話しました。

ニューサウスウェールズ州では4月27日現在、新規の感染者数の減少傾向が見られており感染者数は全体で3009人となっています。ブレジクリアン州首相は「症例数の減少が確認できたことは、我々にとって明確な希望が見えてきたともいえる。しかし、同時に強調しておきたいのは一握りの人々が間違った行動を起こせば、これまでのすべての努力が無駄になってしまうということだ」と述べ、一人ひとりの行動が感染抑止に繋がることを強く訴えました。

参考元 : SBS NEWS
https://www.sbs.com.au/news/mixed-feelings-as-gladys-berejiklian-confirms-nsw-students-will-return-to-school-in-three-weeks