新型コロナウイルスの規制下により遠隔操作での深海調査を実施

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新型コロナウイルスの規制下により遠隔操作での深海調査を実施

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新型コロナウイルスの感染拡大の被害は海洋研究の分野にも影響を及ぼしています。
オーストラリアの海洋研究者たちは新型コロナウイルスの影響により、フィールドワーク調査の中止を余儀なくされました。そうした状況の中、研究者はチームを結成し船を遠隔操作して調査を行うことを決断。シュミット海洋研究所が所有する“RVファルカー号“を操り、1か月に渡ってオーストラリア最大の海洋公園“コーラル・シー・マリンパーク”内の深海を調査しています。

新型コロナウイルス感染拡大対策による規制がオーストラリア国内で発表された当時、RVファルカー号は深海調査のためオーストラリアの海域に滞留していました。しかし、オーストラリア北部で予定されていた調査がすべて中止になったことにより、今回の深海調査での使用に至ったとのことです。

RVファルカー号は高度なビデオ録画技術に加え、“SuBastian“と名付けられた最新鋭の無人潜水機を搭載し、最大深度4,500メートルまでの調査が可能です。通常は10~15人ほどの研究者チームが帯同し調査を行いますが、社会的距離の確保が困難なことから研究者の乗船は許可されませんでした。そこで、ジェームズ・クック大学の海洋地質学者であるロビン・ビーマン博士が改良を提案。研究者チームは乗組員のみで調査が行えるよう、今回の調査のためにRVファルカー号に遠隔操作を可能とする改良を施しました。

RVファルカー号の技術者が無人潜水機を操作し、ビーマン博士はそこからリアルタイムに送られてくる4Kの高精細な映像を確認しながら指揮をとっています。
ビーマン博士は取材に対し、「沖合300キロ、海底1,000メートルからの景色を寝室から眺めるのはスリル満点です。今回の調査はオーストラリアの海底地形を理解することに貢献するでしょう」と語りました。

新型コロナウイルスによる影響が続くなか、研究者たちの弛まぬ努力と研究の成果に海洋関係者は期待を寄せています。

参考元 : ABC
https://www.abc.net.au/news/2020-05-06/rv-falkor-on-research-expedition-with-no-scientists-on-board/12215962