オーストラリア国内の航空会社に対し乗客のデータ収集を義務化

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オーストラリア国内の航空会社に対し乗客のデータ収集を義務化

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オーストラリア政府は新型コロナウイルス感染経路の追跡を目的として、国内の航空会社に乗客の名前や連絡先など個人情報データの収集を義務付ける方針を発表。データ収集は10月1日より段階的に実施するとしています。

政府は各航空会社に州間を移動する乗客の氏名、メールアドレス、電話番号、居住地の州名を収集するよう求めました。集められたデータは、管轄の州および地域の感染経路追跡チームへ引き渡され調査に利用されます。スコット・モリソン首相は会見で「このデータは州から州へと移動する渡航者の感染経路追跡調査を支援するためだけに利用されます」と述べ、収集された個人情報は各州で慎重に取り扱われると強調しました。

世界保健機関(WHO)のアドバイザーであるマリルイーズ・マクロー教授は国内線を利用する乗客のデータ収集は州境規制の解除に向けた「論理的な一歩」であると語っています。マクロー教授は「データ収集は非常に重要です。これは賢明な判断であり、国内の州境制限を解除するために進むべき道となります」と今回の政策を高く評価しました。しかし、その一方でオーストラリア・プライバシー財団のデビット・ベール理事長は政府が要求する個人情報データの量が増加することに懸念を示しています。ベール氏は「オーストラリアのデータ保護法は情報漏洩時において、被害を受けた市民を守る対応策が十分ではありません」とコメント。同氏はあわせて「収集した個人情報はどのくらいの期間保持するのか、今後感染経路の追跡以外のことにデータを利用できるのかなど政策の内容を見直す必要があります」と語り、個人情報データの取り扱いに関してオーストラリア政府へ十分な安全対策を講じるよう求めました。

参考元 : SBSNews
https://www.sbs.com.au/news/airlines-to-undertake-mandatory-data-collection-of-interstate-travellers-as-contact-tracing-goes-national